「シュートは女子は両手打ち」
いつからこういう常識になったのか不思議です。ただ1つだけ言えるのは、決して良くはないということ。僕が1人の女子選手を完全に指導していくならワンハンドで教えます。
「女子はワンハンドでは届かない」は間違った認識です。きちっとフォームを教え、ボールを飛ばす方法を学べば可能です。
世界中でもツーハンド(本来はボースハンドと呼ぶがここでは分かりやすくツーハンドと示す)でシュートを行うのは日本・韓国のみです。稀にツーハンドに近いフォームの選手も他国にいますが、基本となる動作はワンハンドです。
他国の同じ学年の女子選手はワンハンドです。日本人と外国人の子供で力の差はありません。
僕は別に「世界ではこうだからワンハンドにしよう」と言うつもりはありません。
ツーハンドのまま成長すると、プレイに制限が出てくるのです。
大きく分けて3つ、ツーハンドのマイナス点があります。
①重心をニュートラル(中央)にしっかり戻さないとシュートを打ちづらい
②ゴールに完全に正対しないと打てない
③打点が低い
両手で打つということは体の中心にボールを構えざるを得ません。さらに、可能な限り左右の手を同じ距離感だけ伸ばす動作にしないとかなりブレやすくなる。つまり斜めを向いて打つことは難しくなる。加えて、ワンハンドより必ず打点が低くなるのです。
経験者に分かりやすく伝えるなら、ポストフェイダウェイがツーハンドではかなり厳しいことが分かるかなと。綺麗に打てるとしても低さが原因でおそらくブロックされます。
最近では、一部のコーチ達を筆頭にミニバスでも男女関わらずワンハンドで指導しているチームが出てきています。
たまにすごく上手な女子選手がいても、ツーハンドであることに正直「もっとレベルアップ出来るのに・・・」と感じてしまいます。
東京オリンピックではツーハンドの選手も多数いる女子日本代表が銀メダル獲得の快挙を成し遂げました。SNSで見かけた一部のコーチの投稿では「これでツーハンドが正当化されてしまいそうで怖い」とあり、僕もまさに同じ心配をしています。
日本代表が銀メダルだったのは「守備・シュート精度」が決め手で、確かにアウトサイドシュートの精度は世界でも高水準でした。でも、だからってツーハンドが良いとはなりません。ツーハンドの数少ないメリットである「精度の高さ」が発揮されたのは事実ですが、その打点の低さ故にブロックを警戒して打てない場面が何度もあり、決勝のアメリカ戦ではそれらが顕著に現れました。この先、全てのプレイの質が上がっても、ツーハンドで金メダルはあり得ないように思えてしまう。最後の最後で自分達のプレイスタイルが壁になってきます。
今、アメリカの大学で活躍している今野選手。高校時代からワンハンドでシュートを打っています。「ツーハンドは悪くない!」と思う方はぜひ同じプレイをツーハンドで挑戦してみてください。難しさに気付けるはずです・・・
とはいえ、ツーハンドを片っ端から強制するのもおかしな話です。
それはただ楽しくバスケをしている男子に「シュートフォームはもっとこうして・・・」と突然 正論でマウントを取りに行くのと同じです。
ワンハンドに切り替えることで起きる”新たな可能性”を選手に伝える義務はあると思いますが、強制する必要はありません。ここに関しては選手自身の熱量と、将来のゴール地点などから一緒に考えるのがベストだと考えています😊
